充実の秋を迎えたハーツクライ(牡4、栗東・橋口)が本格化した。ダービー、宝塚記念とG1では2度の2着に泣いたが、夏を越して馬体が成長。先週の菊花賞では白旗を揚げていた橋口弘次郎師(60)も一転、並み居るG1馬8頭を相手に自信満々に送り出す。
ハーツクライの立ち姿を眺めた橋口師の口元が緩んだ。「全体的にたくましくなった。皮膚もいい。体調は今までで最高。一番頼もしい体で走れる」と限りなく理想に近づいた馬体に見入った。首差しから肩、胸前、トモとつくべきところが筋肉のよろいで覆われ、腹袋もどっしりとした。細身だったボディーがひと夏越して見違えるように成長した。サラブレッドの充実期は4歳秋。また走る馬は3度変わるとも言われる。名門厩舎の良血馬は、格言通りの変身を遂げた。昨年の有馬記念で472キロまで減った馬体が、今は500キロを超える。「自信を持って送り出せる」とトレーナーも力が入る。
「今週はディープインパクトがいないからな」。ローゼンクロイツを出走させた菊花賞は戦う前から白旗を揚げていたが、今回は違う。1番人気が予想されるゼンノロブロイに対しても「(秋3冠は)あくまで去年の話。抜けた馬とは思っていない」と強気。実際に宝塚記念では1馬身1/4先着している。「5、6頭が横一線で、その中にうちのも入っていると思う」と分析した。
不器用でコーナーをスムーズに回れないから、戦法は直線勝負になる。コーナーが緩やかで直線の長い東京はベスト。2000〜2200メートルの中距離も【3211】と最も得意としている。明日27日に予定されている最終追い切りでは、新コンビのルメールが騎乗。現時点で、不安は全く見当たらない。【岡山俊明】